これからPythonの開発環境をセットアップしていきます。
初心者でも迷わないように手順・注意点・トラブル対処をまとめます。
事前に知っておくこと(前提)
対象OS → Windows(10 / 11 想定)、macOS(Intel / Apple Silicon)
必要なもの → インターネット接続、PCの管理者権限(インストール時に必要になる場合あり)
エディタの選び方
- VS Code → 軽量で拡張豊富。初学者〜プロまで幅広く使える。多言語対応で設定が自由。(Visual Studio Code)
- PyCharm → Pythonに特化したフル機能のIDE。コード補完・デバッガ・仮想環境管理が強力(Community は無償)。大きめだがPython学習に便利。(JetBrains)
1) Python のインストール(共通のポイント)
必ず Python公式サイト から最新版(stable な Python 3.x)を取得するのがおすすめです(バージョン表記は頻繁に更新されます)。公式ダウンロードページの「Windows / macOS」リンクを使ってダウンロードしてください。(Python.org)
システムに複数バージョンがあると混乱するので、講義では Python 3(例:python3)を使う 旨を伝えます。仮想環境(venv)を使ってプロジェクトごとに依存を分けましょう(後述)。
2) Windows に Python を入れる手順(初心者向け)
- ブラウザで公式ページ(Downloads → Windows)に行き、Windows Installer(通常は 64-bit) をダウンロード。(Python.org)
- インストーラを実行する際、必ず「Add Python X.X to PATH」にチェックを入れる(これを入れ忘れると
pythonコマンドが認識されません)。その後「Install Now」。 - インストール完了後、コマンドプロンプト(または PowerShell)を開いて動作確認します。
-
python --version py --version # Windows の py ランチャーが使える場合 pip --version正常ならバージョンが表示されます。
-
- 仮想環境の作り方(プロジェクトフォルダで):
python -m venv venv .\venv\Scripts\activate # PowerShell なら Activate.ps1 を指定する場合あり # あるいは cmd.exe の場合: .\venv\Scripts\activate.bat python -m pip install --upgrade pip- PowerShell の実行ポリシーでスクリプト実行が制限される時は
Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser -Force等で一時的に許可する方法があります(管理者権限や社内ポリシーに注意)。
- PowerShell の実行ポリシーでスクリプト実行が制限される時は
- よくあるトラブル:
pythonが認識されない → インストーラで PATH を追加したか確認、または Windows を再起動(またはターミナルを再起動)してください。- pip の権限エラー →
python -m pip install --user パッケージ名を試す。
3) macOS に Python を入れる手順(初心者向け)
A. 公式インストーラを使う方法
- Python 公式サイトの macOS ダウンロードを選択して
.pkg(または Universal)をダウンロード・実行。インストーラに従うだけで入ります。(Python.org) - ターミナルで確認:
python3 --version pip3 --versionmacOS ではpythonがシステムの古い Python を指す場合があるため、python3を使う習慣を付けると混乱しにくいです。
B. Homebrew を使う方法(開発者向け)
- Homebrew が入っているなら
brew install pythonで管理できます(Homebrew の利点はアップデートが容易)。
仮想環境(macOS)
python3 -m venv venv
source venv/bin/activate
python -m pip install --upgrade pip
注意点(mac)
- Gatekeeper によるブロックが出たら「システム環境設定 → セキュリティとプライバシー」で許可する必要があります(ダウンロード元により)。
4) VS Code のインストールと初期設定(Windows / macOS 共通)
- 公式ダウンロードページから OS に合ったインストーラを取得してインストール。Windows は User Installer / System Installer を選べます。mac は Universal や .dmg を選択。(Visual Studio Code)
- 起動後、推奨拡張を入れます(拡張パネルで検索):
- Python(Microsoft) — 基本の言語サポート(Lint / Intellisense / デバッガ)。
- Pylance — 高速で正確な型情報と補完。
- (必要に応じて)Jupyter、Code Runner など。
- Python インタプリタの選択:左下のステータスバーの Python バージョン部分をクリック → 作成した仮想環境
venvを選択(./venv/...)。これでそのフォルダを開いたときに VS Code が適切な環境を使います。 - ターミナル連携・
codeコマンド:mac ではコマンドパレット(⇧⌘P)で「Shell Command: Install ‘code’ command in PATH」を実行するとターミナルからcode .で開けます。Windows ではインストーラで PATH を追加するオプションがあります。(Visual Studio Code) - 実行方法:
- ファイルを作って右上の ▶ ボタンで実行、または統合ターミナルで
python ファイル名.py。 - デバッグ:F5 でデバッガを起動。初回は自動で
launch.jsonを作成してくれます。
- ファイルを作って右上の ▶ ボタンで実行、または統合ターミナルで
5) PyCharm のインストールと初期設定(Windows / macOS)
- JetBrains の PyCharm ダウンロードページから Community(無償) を取得してインストール。(JetBrains)
- 初回起動で「New Project」を選び、New environment using Virtualenv を選択すると、PyCharm がプロジェクトごとの仮想環境を自動で作成してくれます。Base interpreter に先ほどインストールした Python を指定してください。
- プロジェクト作成後、右クリック → Run ‘ファイル名’ で実行。PyCharm の強みは GUI ベースでパッケージ管理・デバッガ・リファクタリングが使いやすい点です。
- 設定画面は Windows は
File → Settings、mac はPyCharm → Preferencesから プロジェクトの Interpreter を確認できます。
6) まず作る・試す(短い実習)
- 新しいフォルダ
python-lessonを作る。 - 中に
hello.pyを作成:print("Hello, Python!") - 仮想環境を作って有効化し、VS Code または PyCharm でその interpreter を選び、ファイルを実行して出力を確認。
この一連の流れを全員で行えば、次回の講義(変数やデータ型)にスムーズに移れます。
7)よくあるトラブルと対処まとめ
pythonが認識されない → PATH 未設定。インストール時に「Add to PATH」を選ぶか、手動で環境変数に追加。- PowerShell の仮想環境がアクティベートできない → 実行ポリシーの問題(
Set-ExecutionPolicy)。 - mac の場合 Gatekeeper(開発元によりブロック)→「セキュリティとプライバシー」で許可。
- エディタ側で正しい interpreter(仮想環境)を選べていない → ステータスバーや設定から明示的に選択する。
- グローバルに
pip installするとシステム環境に影響が出る → 必ず仮想環境内でインストール を徹底する。
参考(ダウンロード元・ドキュメント)
- Python 公式ダウンロード(Windows / macOS)。最新版は公式ページから取得してください。(Python.org)
- Visual Studio Code ダウンロード / インストールドキュメント。(Visual Studio Code)
- PyCharm ダウンロード(Community / Professional)。(JetBrains)